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眼鏡で見えれば安心?子どもの近視で知っておきたい「見え方」と「進み方」

病気について

眼鏡を作ったあとも 確認しておきたいこと

眼鏡をかけて黒板が見えるようになっても、近視の進み方は別に確認する必要があります。眼鏡で「見えやすくすること」と、近視の「進行を抑えること」は目的が異なります。最近は、進行を抑える工夫を加えた眼鏡や点眼薬も研究されています。大切なのは、お子さんの年齢や進み方、無理なく続けられるかを考えながら、定期的に目の状態を確認することです。

医師紹介
当院では岐阜県眼科医会理事を務める眼科専門医を含む医学博士2名体制です。大人から子供までの眼鏡、コンタクトレンズ処方などの一般的な治療から、緑内障や網膜疾患、神経眼科など専門的な知識を備え長年地域のかかりつけ眼科として診療を行っております。白内障手術はもちろん、網膜・緑内障に対するレーザー治療などにも対応いたします。

よく見えることと 近視が進まないことは別です

子どもの近視では、眼球の前後の長さである「眼軸長」が伸びることが大きく関係します。通常の眼鏡は、光のピントを調整して遠くを見やすくしますが、それだけで眼軸長の伸びを十分に抑えられるとは限りません。

「眼鏡で見えているから、もう受診しなくてよい」と考えず、度数がどのくらい変化しているかも確認しましょう。近視進行抑制治療は、進行を遅らせることを目指すもので、近視を元に戻したり、必ず進行を止めたりする治療ではありません。[4]

進行を抑える工夫を加えた眼鏡があります

DIMS(ディムス)眼鏡は、中央部で見え方を矯正し、その周囲に多数の小さな光学領域を配置した特殊なレンズです。普通の眼鏡を単に弱い度数にする方法とは異なります。

香港で行われた研究では、8~13歳の183人をDIMS眼鏡と通常の単焦点眼鏡に分けて比較し、DIMS眼鏡で2年間の近視進行と眼軸長の伸びが小さくなることが報告されました。ただし、研究で得られた平均的な効果が、すべてのお子さんに同じように現れるわけではありません。[2]

最新研究で 眼鏡と点眼を比べると

2026年10月に公表された研究では、6~16歳の欧州の子ども110人を、DIMS眼鏡と、0.01%アトロピン点眼+通常の眼鏡に分けて、2年間比較しました。DIMS群は、実薬成分を含まない点眼を併用しています。[1]

2年間の平均変化DIMS眼鏡0.01%アトロピン+通常眼鏡
眼軸長の伸び0.22 mm0.32 mm
近視度数の進行量0.47 D0.70 D

D(ディオプター)は眼鏡などの度数の単位です。上の数値は、近視が進んだ量を正の値で示しています。

平均値ではDIMS群の進行量が小さく、特に6~11歳で差が大きい結果でした。ただし、比較した点眼は0.01%という特定の濃度です。この結果だけで「眼鏡は点眼薬より優れている」とは言えません。点眼や眼鏡をどの程度続けられたかも、結果に影響する可能性があります。[1]

点眼薬は 濃度によっても結果が異なります

低濃度アトロピンには、濃度の異なる製剤があります。香港のLAMP研究では、0.05%、0.025%、0.01%と実薬成分を含まない点眼を比較し、1年間では0.05%群で最も強い進行抑制効果が報告されました。一方で、瞳孔の大きさや近くにピントを合わせる働きにも、濃度に応じた変化がありました。[3]

日本では、近視の進行抑制を目的として、0.025%のアトロピン製剤「リジュセアミニ点眼液0.025%」が承認されています。今回の研究で比較された0.01%とは濃度が異なるため、この研究から国内承認薬とDIMS眼鏡の優劣を判断することはできません。[5]

効果に加え、まぶしさや手元の見え方、続けやすさも確認し、眼科医と相談して治療を考えましょう。

相談するときは 過去の度数が参考になります

学校検診で視力低下を指摘されたときや、眼鏡を作り替えるたびに度が強くなると感じるときは、眼科でご相談ください。以前の眼鏡や処方箋、検診結果があると、変化を確認する参考になります。

岐阜市加納の窪田眼科医院では、お子さんの見え方や近視についてご相談いただけます。今の見え方とこれまでの変化を確認し、経過観察や治療の必要性を考えましょう。


参考文献

[1]Wnękowicz-Augustyn E, Wylęgała E, Kobielnik M, Teper S.
Defocus Incorporated Multiple Segments (DIMS) spectacle lenses versus 0.01% atropine for myopia control: Two-year randomised trial in children from Central Europe.
J Optom. 2026 Oct 9:100635. Online ahead of print. DOI: 10.1016/j.optom.2026.100635.

[2]Lam CSY, Tang WC, Tse DY, et al.
Defocus Incorporated Multiple Segments (DIMS) spectacle lenses slow myopia progression: a 2-year randomised clinical trial.
Br J Ophthalmol. 2020;104(3):363–368. Online 2019 May 29. DOI: 10.1136/bjophthalmol-2018-313739.

[3]Yam JC, Jiang Y, Tang SM, et al.
Low-Concentration Atropine for Myopia Progression (LAMP) Study: A Randomized, Double-Blinded, Placebo-Controlled Trial …
Ophthalmology. 2019;126(1):113–124. Online 2018 Jul 6. DOI: 10.1016/j.ophtha.2018.05.029.

[4]日本近視学会
近視の進行抑制治療
一般向け解説。2026年10月21日確認。

[5]医薬品医療機器総合機構(PMDA)
リジュセアミニ点眼液0.025% 承認審査情報
一般名 アトロピン硫酸塩水和物。2026年10月21日確認。

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