4〜5月に行われる学校健診の結果を受け取り、
「視力がC判定やD判定になっていた」
「去年までは問題なかったのに急に悪くなった」
「親も近視だから遺伝だろうか」
と心配になって受診される保護者の方が増える時期です。
近年、子どもの近視は全国的に増加しており、文部科学省の学校保健統計でも裸眼視力1.0未満の児童・生徒は年々増加しています。
学校健診で視力低下を指摘された際、多くの保護者の方から
「近視は遺伝するのでしょうか?」
という質問をいただきます。
確かに近視には遺伝的な要因があります。しかし、親が近視だからといって必ず子どもも近視になるわけではありません。
現在では、近視は
✔ 「遺伝」と「生活環境」の両方が関係する病気
と考えられています。
この記事では、近視と遺伝の関係について、最新の知見をもとにわかりやすく解説します。

近視はどのくらい遺伝するの?
多くの研究で、近視のなりやすさには遺伝が関係することがわかっています。
特に、
- 両親とも近視ではない
- 片親のみ近視
- 両親とも近視
を比較すると、両親とも近視の場合に子どもが近視になる確率が高くなります。
一般的には、
| 両親の状態 | 子どもの近視リスク |
| 両親とも近視なし | 低い |
| 片親のみ近視 | やや高い |
| 両親とも近視 | 高い |
とされています。
ただし、「親が近視だから必ず近視になる」というわけではありません。
遺伝するのは「近視」そのもの?
実は少し違います。
近視が遺伝するというより、
「眼球が伸びやすい体質」
「近視になりやすい素因」
が遺伝すると考えられています。
近視の多くは、眼球の長さ(眼軸)が伸びることで発生します。
眼軸が長くなりやすい体質を持つお子さんは、同じ生活環境でも近視になりやすい傾向があります。
遺伝だけでは説明できない理由
近年、世界中で子どもの近視が急増しています。
人類の遺伝子は数十年で大きく変化しません。
つまり、
近視の急増は遺伝だけでは説明できない
ということです。
その背景には、
- スマートフォン
- タブレット学習
- ゲーム
- 読書時間の増加
- 屋外活動の減少
などの環境要因が大きく関与していると考えられています。
兄弟で近視の進み方が違うのはなぜ?
同じ親から生まれた兄弟でも、
- 強い近視になる子
- 軽い近視で済む子
- ほとんど近視にならない子
がいます。
これは、
- 遺伝的な違い
- スマホ・タブレットの使用時間
- 屋外活動時間
などが複雑に影響するためです。
遺伝だけで将来が決まるわけではありません。
親が近視なら何に注意すればよい?
両親または片親が近視の場合は、
近視になってから対策するのではなく、
近視になりやすい子として早めに経過をみることが重要です。
特に、
- 小学校入学前後
- 小学校低学年
は近視が始まりやすい時期です。
以下のようなサインがあれば眼科受診をおすすめします。
- テレビに近づいて見る
- 目を細める
- 学校健診で視力低下を指摘された
- 黒板が見えにくいと言う
遺伝があっても予防はできる?
完全に防ぐことは難しいかもしれませんが、
近年の研究では近視の発症や進行を遅らせる可能性が示されています。
✔ 屋外活動を増やす
現在もっとも確実な予防法の一つです。
目安として、
✔ 1日1〜2時間以上の屋外活動
が推奨されています。
✔ 長時間の近業を避ける
勉強やタブレット使用時には、
- 30分に1回休憩
- 遠くを見る習慣
を意識しましょう。
最近では、低濃度アトロピン治療など、近視進行を抑える治療も行われています。

まとめ

近視には遺伝が関係していますが、遺伝だけで決まるわけではありません。
むしろ現在は、
「遺伝的な体質に環境要因が加わることで近視が進行する」
と考えられています。
両親が近視の場合は、お子さんも近視になりやすい可能性があります。しかし、早期発見や生活習慣の改善、近視進行抑制治療によって将来の強度近視リスクを減らせる可能性があります。
「親が近視だから仕方ない」と諦めるのではなく、お子さんの将来の目の健康を守るために定期的な眼科検査を受けることが大切です。









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