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何をみているの?学校検診

病気について

5月の連休がおわり「学校(幼稚園)健診」が始まってきました。

昨年のこの時期(2020年4月~7月)は新型コロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言が発令されたため学校検診が遅れていました。

ようやく学校検診が開始されたのが秋頃で、場所によっては年度末になりようやく行われた学校もあると聞きます。

今年はコロナ渦でも感染対策を行いながら眼科検診を行ってまいります。

さて今回は学校検診の中の眼科検診でチェックしている内容を解説します。

学校眼科検診について

学校での眼科検診でチェックする項目としては、以下のものが挙げられます

学校検診(眼科検診)でチェックする項目

①視力(A~D判定)、眼位(斜視はないか)

②外眼部(結膜炎、まつ毛・瞼・角膜の異常はないか)

<視力・眼位の確認>

学校健診の視力検査は養護教諭等学校関係者が行う予診的検査と言い、370方式によるA, B, C, Dの判定です。

370方式とは、学業への影響があるかどうかを短時間で検査するために、0.3、0.7、1.0の3種類の大きさの視力表を使って視力を検査する方法です。A(1.0以上)、B(0.7-0.9)、C(0.3-0.7)、D(0.3未満)という判定をおこないます。

眼科学校保健資料集より
判定

A(1.0以上):教室の一番後ろの席にいても黒板の文字を楽に読むことができる。

B(0.7~0.9):教室の真ん中より後ろの席にいても黒板の文字がだいたい読めるが、小さい文字だと見づらいこともある。 

C(0.3~0.6):教室の真ん中より前の席にいても小さい文字があまり読めない。

D(0.2以下):一番前の席に座っても眼鏡などがないとはっきり読めない。

一般的に、こどもの視力は出生後から徐々に発達するのですが、近視や遠視、斜視などの様々な要因によって発達が障害されると弱視(じゃくし)になります。

(斜視、弱視についてはこちらのページをご覧ください) 

医のための眼科検診マニュアル

視力の発達は6歳ころまでにある程度完成されるのですが、中には3歳児検診や就学時検診でも視力の発達が不良の子が見逃されてしまう場合があります。そのようなお子さんをみつける目的があります。

また、視力の発達が良好でも小学校からは体の成長と共に徐々に近視が進んできます。
こどもの視力は変動しやすいため、成長に合わせて眼鏡の処方を考えてあげる必要があります。みにくいまま学校生活を送ると、早くから眼精疲労が蓄積してしまいます。

眼科に受診した際には必ず視力検査をしていただくのですが、子どもの場合、“調節“という見たいものにピントを合わせようとする力が余分に働いてしまう場合があります。過度に調節をした状態(緊張状態、いわゆる仮性近視の状態)で眼鏡を作成すると、適切な眼鏡処方ができないことがあります。そのため、場合によっては調節力を一時的に休ませる目薬を使って、正確な視力の度数を測定する必要があります。(近視のページ)

<結膜炎、まつげや瞼の異常、角膜の異常の有無>

結膜炎はアレルギー性(花粉症)やウィルス性の結膜炎があり、治療が必要となってきます。

また子どもでは、まつ毛が内側に向いて角膜を傷つけたりすると目やにが持続的に出ることがあります。極端にひどい場合は見え方が悪くなったりしますので目薬の治療が必要となります。

おわりに

学校検診でチェックしている項目について解説しました。

学校眼科検診は年に1度行われるスクリーニング検査です。
子どもはよく遊び、よく学ぶ時期であると同時に視力の変化が起こりやすい時期でもあります。

お子さんの目がどのような状態なのかを把握し、成長に合わせて適切なメガネを作成することが大切です。

学校検診で要チェックとされたお子さんは必ず眼科を受診してください。

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