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調節けいれん ~こどもの目の使い方で注意すべきは?~

病気について

本日はこどもの日ですね。今回は調節けいれんについて解説します。

調節けいれん

みなさんは「調節けいれん」という言葉をご存知ですか?

簡単に言いますと、目の過度な緊張状態をあらわす言葉です。

特にこどもの目の過緊張をあらわしますが、大人でも起こります。

以前は「仮性近視」といわれ、本当は近視が無い、もしくは軽い状態であるはずなのに、近視が強い状態になることをいいます。最近では「調節けいれん」といいます。

調節

光は通常、黒目の角膜という部分から入り、水晶体というカメラのレンズを通り、網膜というフィルムに光が当たります。

ほとんどの方は近視・遠視があります。その中で網膜にピッタリ像を結ぶようにするため、自動的に目の筋肉を働かせ水晶体(レンズ)を厚くしたり、薄くしたりしながら調節しています。つまりカメラのオートフォーカス機能が働いています。

近くの物を見る場合には筋肉がはたらき、水晶体(レンズ)を分厚くさせ、網膜にピントが合うよう調節しています。

しかし、スマホでの動画を見続けたり、ゲームを長時間おこなったりすると、そのまま筋肉がけいれんして固まってしまいます。

一般的に眼科や、眼鏡屋さんではオートレフラクトメーターという機械で遠視や近視をある程度予測し視力検査を行うのですが、視力検査で調節がはたらいてしまっていては本当の近視・遠視が分かりません。

目薬などでこどもの調節を弱め、本来の近視や遠視を評価することが大切になってきます。

そのように本来の目の状態と、過度に調節がはたらいている場合の目の状態で食い違いがあった場合、「調節けいれん」と診断します。

現代はスマホやタブレットでYouTubeをみることが多くなり、また学校教育に関してもGIGAスクール構想が浸透し、タブレット端末での教育が多くなったことでこどもの目は調節を強いられていると考えられます。

こどもの眼鏡処方

そのような中で、近年こどもの適切なメガネについて議論されています。

以前は、度の強いメガネをしているとどんどん近視が進むから弱いレンズのメガネをしましょうと言われていたかもしれませんが、最近では低矯正よりも完全矯正が良いとされています。

しかし完全矯正というのは正確に評価された上での完全矯正であるべきと考えます。

視力検査直前までスマホを見たり、ゲームをしていたり、また勉強でも長時間の目を酷使したあとの状態での検査の多くは、調節がはいってしまっています。

目薬で、こどもの調節をなくし本当の近視や遠視を評価することが大切ですが、すべての患者さんにそのような対応をする事もできません。(瞳孔が開いてまぶしくなってぼやけてしまうため)当院では機械による影響を受けにくい検影法という方法で、ある程度本来の近視・遠視を予測することが可能です。

実際にこどもを診察している中で、視力検査の結果が本来の度数ではないことはよくあります。つまり目に負荷がかかっている状態で視力検査をされています。

近視予防

当院で近視予防に対する指導内容として、ナイトレンズやコンタクトレズによる近視抑制よりも、日常生活や学校教育での目の使い方を重視し注意喚起しています。

勉強やタブレットは30cm以上離して行う事、30分連続でゲームをしたら20秒以上目を離し別の物を見ましょう。

また、台湾をはじめとするアジア地域では、近視の進行抑制に、屋外活動が奨励されています。直射日光の下ではなく木陰での活動でもよいでしょう。

昨今のご時世で難しいかもしれませんが外でのびのびと遊んで体を動かしましょう。

https://www.gankaikai.or.jp/info/giga_manual.pdf

まとめ

以上、こどもに日に「こどもの調節けいれん」について解説しました。

こどもの適切な眼鏡の処方についてはこちらでも記載しております。

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