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緑内障点眼あれこれ~プロスタグランジン関連薬~

病気について

緑内障治療薬あれこれ

今回は緑内障点眼の中でプロスタグランジン製剤について説明します。

房水の流れ

目のなかには常に房水が作られ、流れていく仕組みがあります。

房水の排出される出口付近を隅角といい、さらに細かく言うと隅角の“シュレム管“から吸収されます。

(房水の流れについては→ 急性緑内障発作とは?

その後、房水はぶどう膜強膜から吸収されていきます。

プロスタグランジン関連薬は現在の緑内障点眼薬のなかで、最も眼圧下降効果に優れて、全身的な副作用もないため緑内障治療の第1選択となっています。

作用機序

ぶどう膜強膜流出促進(FP受容体を介して眼圧下降効果を示す)

種類

5種類あります。

商品名点眼回数
イソプロピルウノプロストンレスキュラ®1日2回点眼
ラタノプロストキサラタン®1日1回点眼
トラボプロストトラバタンズ®1日1回点眼
タフルプロストタプロス®1日1回点眼
ビマトプロストルミガン®1日1回点眼

レスキュラ®は眼圧下降点眼のなかでも初期に使用されておりましたが、現在ではそれ以外の4つの点眼(キサラタン®、トラバタンズ®、タプロス®、ルミガン®)が多く使用されていることが多いです。

レスキュラは現在、緑内障以外の疾患に対する適応が注目されている(例:網膜色素変性)

点眼薬の違いについて

ではその他の4つの点眼の違いはあるのでしょうか?

新たな点眼が出てくるたびに治験や市販後調査の段階で、統計学的にはほぼ同等の眼圧下降効果が得られるとされていますが、その点眼が合わない、効果が出なかったときに変更したりします。

例: 

①キサラタン®を使用していたら角膜に傷ができた(防腐剤による角膜障害) 

 → トラバタンズ®へ変更

②キサラタン®で眼圧が下がらなかった(ノンレスポンダー

 → タプロス®へ変更

副作用

プロスタグランジン関連薬は全身の副作用は少ないのですが、眼局所への副作用があります。

(一般的に緑内障点眼は眼局所の副作用が多々あります。)

プロスタグランジン関連薬の眼局所への副作用

① 結膜充血

② 眼刺激症状(しみるなど)

③ 虹彩、皮膚への色素沈着

④ 睫毛の異常な伸長

⑤ 上眼瞼溝深化(Deepening of Upper Eyelid Sulcus: DUES)(デューズと言います)

これらの副作用は同じ上に記載した4つの点眼キサラタン®、トラバタンズ®、タプロス®、ルミガン®でも異なる場合があり、異なる作用機序への薬剤変更で副作用がどのように変化するかを確認する必要があります。

副作用への対応

①、②
充血や刺激作用に関しては点眼開始直後に強く出ることがありますが、徐々に充血や刺激感は和らいでいく場合があります。


睫毛の異常な伸長に関して、女性にとっては一見喜ばしいように思われますが、睫毛長くなるというより、多く、太く乱生するという感覚です。基本的には夜点眼1回で、“寝る前”に点眼するように言われます。点眼後、皮膚に付着した液成分を拭き取ることが必要です。


DUESに関しては中止変更すれば元に戻る可逆性の副作用と言われています。

注意点

虹彩炎やぶどう膜炎を持つ患者では炎症の再燃をきたす可能性があり慎重な投与が必要となってきます。

角膜ヘルペスの既往のある方も再発の可能性があります。

まとめ

緑内障治療薬の一つであるプロスタグランジン関連薬についてまとめました。

眼圧下降効果が最も優れている点眼ではありますが、その効果、副作用に関して十分理解して使用しましょう。

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