• 地域に密着した岐阜市の眼科

間欠性外斜視って?

病気について

こんにちは。

今回は外斜視(※日本弱視斜視学会)、なかでも間欠性外斜視について解説します。

病態

・間欠性外斜視は目が正面を向いている状態と、外を向いている状態が混在している状態

・外斜位―斜視とも呼ばれる

・アジア人では間欠性外斜視が多い

・眼位(眼の位置)が正面の時は両眼で見る機能(両眼視)が保たれているが、眠い時・疲労時に片目で頭の中で遮断(抑制)をし、両眼視機能に障害を生ずる

・中には両目とも正面を向いているにもかかわらず57~74%は抑制がかかっているとの報告もある

分類

間欠性外斜視は

①近くを見るときの眼位(近見眼位)

②遠くを見るときの眼位(遠見眼位)

の差によって

a. 基礎型、b. 輻輳不全型、c. 開散過多型に分類される。

a. 基礎型:差が10~15⊿(プリズム)

b. 輻輳不全型:近県の斜視角が多いもの

c. 開散過多型:遠見の斜視角が多いもの(中には開散過多様の所見を示す“偽開散過多型“がありますがここでは割愛します)

症状

小児では自覚症状がありません。

家族や友人など周囲からの指摘をうけ気が付きます。視線がうつろな時や疲労時に外斜視になります。

成人では鏡を見たり、他人指摘されるだけでなく、眼精疲労の原因となったり、複視を自覚する方もいます。

治療

プリズム眼鏡

・斜視手術ができない程度の偏位量や手術を希望されないときに行う。

・プリズム眼鏡にはガラスプリズム(メガネのレンズに角度調整が組み込まれたもの)とフレネル膜プリズム(メガネに貼るプリズム(そのため見えにくくなる))がある

・一般的にはガラスプリズムを選ばれることが多いが限界量がある。(片眼7⊿程度まで)

・遠見眼位が少ない輻輳不全型に適する(遠くを見るときのずれが小さい方がプリズム眼鏡で補正できる)

・どんなに頑張ってプリズム入れても25⊿以上であれば手術との併用が必要になります。

放置したらどうなるの?

実はあまり報告がないのですが・・・(放っておきたくないですもんね)

138例を20年間観察した結果、

①消失3.8%

②10⊿以上斜視角が増大したもの5年で23.1%、20年で52.8%

すなわち半分以上は斜視の角度が増大することが分かっています。

手術治療

・小児の手術適応:20~30⊿以上の場合に手術を検討する(それまではプリズムで対応)

・普段の生活で外斜視となる機会がほとんどないようであれば経過観察も可能

・小児では手術後の“戻り”が100%生じるため、少し過矯正ぎみに行うこともある

・手術時期は小学校入学前あたりに行うことがおおい

(※手術式に関してはここでは省略します)

・成人の場合、眼精疲労や複視などの自覚症状や外見的理由から手術適応決定する。

・定量は小児より手術効果が強くでることや、“戻り“が少ない

・小児とは逆に80-90%を治すことを目標とする

まとめ

間欠性外斜視は、通常の目の位置が大体は正面にありますが、疲労時、眠たい時など外れてしまう病気です。外れる頻度が多くなってきたり、その角度が大きくなってきたり、眼精疲労を訴えるようになったら手術適応となります。それまではプリズム療法で対応可能です。

ただ、放置していくと角度が大きくなり両眼視の低下につながりますのでご注意ください。

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