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第74回日本臨床眼科学会~多焦点眼内レンズの適正使用~

学会・勉強会内容

日本で多焦点眼内レンズを多数入れられている先生方の最近の”多焦点眼内レンズ”の使用データから、その印象を講演されておりました。

大鹿哲郎先生

レンティスコンフォート(参天製薬)

低加入度数分節型眼内レンズ(レンティスコンフォート)

・ハローグレアが少ない
・遠方中間が見える(近方67㎝まで) 中間(0.8)で区切ったところ
・近方眼鏡必要
・稀に有害事象が起こり(スターバースト)眼内レンズ交換が必要なケースも
・親水性の素材であり嚢内の癒着はなく摘出可能な事がある
・小瞳孔・チン小帯脆弱例には不向き

林研先生

回折型多焦点レンズ

・0次回折光(遠方)、1次回折光(近方)、3次、4次はエネルギーロス(3~4次で10%ほどロス)
・Alcon社PanOptixはもともと4焦点で3つ目の焦点の光エネルギーを遠方に再分配する構造で、遠見視力や遠見コントラストをなるべく悪化させないように工夫
・コントラスト感度は単焦点、2焦点、3焦点に行くにつれて低下
・ハローに関してはPanOptixのほうが2焦点より強い(単焦点はほぼない)
・グレアは2焦点と変わりない(単焦点はほぼない)
・遠視では遠見・金券視力共に優位に低下するが、-0.5Dの近視では、遠見は低下するが、金券は改善するため、目標屈折は軽度近視が望ましい。
・3焦点レンズは乱視による円見視力の低下が2焦点より著しい、一方近見視力は低下しなかった
・0.75以上の乱視は3焦点の視力が2焦点レンズに比べ優位に悪いため、3焦点では0.75以上はトーリックレンズを使用すべき
・近見40㎝なので日本人では合わない人もいる(術前の近見距離が重要)

田淵仁志先生

回折型多焦点眼内レンズ

・VFQ25行ったところ運転詳細項目は圧倒的に多焦点眼内レンズは単焦点レンズに劣る。
・術前術後に注目すればともに運転要項にかんして共に改善
・選定療養になり多焦点眼内レンズ使用は半減
・選定療養のなかで3焦点レンズ使用率が上昇
・眼鏡不使用率はPanOptixが従来の2焦点眼内レンズとかわらない
・PanOptixは近見につよいが、遠見・夜間は向いていかも
・グレア、コントラストともにLentisComfortのほうが良好
・夜間運転にはLentisを使用すべき

荒井宏幸先生

EDOFレンズ

・ライフスタイルにより快適な見え方は人によって異なる。
・IOLの特徴を知り適切に使い分ける
・テクニスシンフォニーレンズ:国内承認で遠方~中間まで良好
・IC-8:遠中近ともに視力良好、コントラストは不良で運転に向かない
・ミニウェル:遠~中まで良好
・レンティスコンフォート:保険適応 遠~中まで良好

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