アレルギー性結膜炎と診断されたら、自分のアレルギーの原因はなにか、また、症状を知りどのように対応したらよいか考えて見ましょう。
アレルギー性結膜疾患は,以下のように分類されます。
1アレルギー性結膜炎(通年性及び季節性)
2春季カタル
3アトピー性角結膜炎
4巨大乳頭性結膜炎
①症状
目がかゆくなるのが特徴です。
アレルギー性結膜炎は、充血、目やに、なみだ目といった結膜炎の症状に加え、目がかゆくなるのが特徴です。思わず目をゴシゴシこすってしまうほどのかゆみです。かゆくてこすると白目がむくんで、ときには白目がゼリー状に瞼からはみ出したようになりびっくりすることがあります。慢性に進行すると瞼の裏の結膜が石垣様にでこぼこになることがあります。
視力に影響することがあります、子どもに多い重症なアレルギー性結膜炎の春季カタル(男子に多い)では黒目(角膜)に障害を起こし痛み、視力障害を起こすことがあります。また、アトピー性皮膚炎に合併するアトピー性角結膜炎では白内障、網膜はく離を起こし手術加療が必要になることもあり、病状を知っておく必要があります。
②原因
2月から10月には、いろいろな花粉(スギ、イネ科、キク科の植物)が原因となる季節性アレルギー性結膜炎(花粉症)を起こし、家ダニ、ホコリが原因の通年性アレルギー性結膜炎は年中起こります。また、猫・犬などの毛が原因になることがあります。コンタクトレンズ使用により起こる巨大乳頭性結膜炎は花粉症の時期症状ひどくなります。
③予防
自分のアレルギー性結膜疾患の原因が何か知っておく必要があります。
スギ・ヒノキ花粉対策は、まず外出時にゴーグルとマスクをつけることをおすすめします。せめてメガネをかけるだけでも、目にはいる花粉の量を3分のⅠ程度に減らすことが出来ます。帰宅時には、家の中に花粉を持ち込まないために衣服や髪をよく払ってから部屋に入りましょう。花粉が衣類に引き寄せるのは静電気です。外出時に静電気防止スプレー吹き付けると効果があります。洗顔、うがい、鼻をかむと良いでしょう、ただ、ごしごし洗うのは良くなく、洗顔も軽く洗い流す程度で人工涙液を点眼するのもよいでしょう。
イネ科、キク科の花粉の飛散距離はせいぜい数百メートルのですので雑草の生えている場所で遊ぶのは避けると良いでしょう。
ハウスダストの予防は掃除から、室内の掃除は排気循環式の掃除機を用い1㎡あたり20秒の時間をかけ、週に2回はすると良いでしょう。ベッドのマット、ふとん、枕にダニを通さないカバーをかけるなどの工夫も役に立ちます。
④治療
予防が第一ですが、目薬、内服薬を使用します。ただ病状により目薬の種類、使用法がちがいますので眼科医の診察をうけることをお勧めします。ステロイド点眼液は効果が期待でき使用しなければならない場合がありますが、小児の場合は大人より眼圧上昇することが多く経過観察が必要です。
巨大乳頭性結膜炎の場合コンタクトレンズの管理が大切ですが、コンタクトレンズの種類、使用方法など、眼科医の指示を守ってください。
かゆくなるとこすりたくなりますが、こすればこするだけ病状は悪化します、適切なる治療を受けこすらないことが一番大切です。
学校医 窪田 智
1 プールに入ってもいいですか?
アレルギー性結膜炎があってもプールに入ることは可能です。目が赤くても、お友達にうつすことはありません。ただし、プールの消毒液は大変刺激が強いので、学校でゴーグル使用が認めてもらえるなら、使うのも良いでしょう。また、プール後目を洗う場合は洗い流すていどで良いでしょう
2 コンタクトレンズ使用してよいですか?
花粉症のある人は、かゆみ、目やにのひどいときは、メガネにすべきです。症状が軽くなれば目薬を使いながら、コンタクトレンズ使用も可能ですが、眼科医の指示に従ってください。将来コンタクトレンズを使用したいと思っている人も自分にアレルギー性結膜炎があるか知っておくと良いでしょう。
その他 知っておくと良いことはありますか?
花粉症患者は口腔アレルギー症候群(花粉症患者が野菜や果物を生で食べたとき唇・口・喉などにイガイガ感やかゆみ、腫れなどのアレルギー症状)を引き起こすことがあります。関連する花粉と野菜や果物の例も知っておいてください
スギ トマト等
オオアワガエリ メロン・スイカ・トマトキウイ等
ブタクサ メロン・スイカ・きゅうり等
ヨモギ セロリ・にんじんマンゴー等