山下敏史先生
特発性黄斑円孔の手術
①硝子体手術、内境界膜(ILM)剥離(通常剥離)
②ILM剥離の仕方は通常の剥離に加え、部分被覆(Flap翻転、遊離フラップ移植、有茎フラップ移植)
③眼内タンポナーデは空気、SF6ガス、C3F8ガス、シリコーンオイル(SO)
④術後うつぶせなし、あり(数日)
が基本的な手術治療の流れ
・現在の特発性黄斑円孔の治療において円孔閉鎖率は90%以上
・術後の体位制限の重要性が問われている。
・下向きできるだけ減らそうというテーラーメード治療が必要となってきた。(以前は下向き一辺倒)
特発性黄斑円孔の術後下向き期間についての鹿児島大学での研究
プロトコール
①500㎛未満の特発性黄斑円孔 →ILM通常剥離+20%SF6ガス+下向きなし(術後2日で未閉鎖確認出来たら下向き開始)
②500㎛以上の特発性黄斑円孔 →ILMFlap翻転+20%SF6ガス+下向きあり(閉鎖確認出来たら下向き中止)
③続発性黄斑円孔、強度近視黄斑円孔 →ILMFlap翻転、遊離・有茎フラップ移植+タンポナーデはさまざま+下向きあり(閉鎖確認出来たら下向き中止)
結果
・220眼で99.6%の閉鎖率、(1眼は再手術で閉鎖)
・なるべく少ない患者負担で個別化治療を
山根真先生
強膜内固定について
ご自身が行った150眼の強膜内固定について検討
・男性に多い傾向 → 外傷などが多い?詳細は不明
・平均屈折誤差は-0.33D、平均術後眼内レンズ傾斜は3.21度
・術後合併症 2-3%硝子体出血・低眼圧、5-6%IOLcapture
強膜内固定はどれほど固定力があるのか?
→ 豚眼を用いた実験で眼内レンズの支持部の強膜への支持力は強固(レンズ、支持部の種類により変化)
ばらつきへの対応策
術後傾斜には強膜への水平、垂直角度が重要であり術後成績には対応策が必要
→ 専用器具を使用したり、術中アベリノメータで測定し支持部を調整していくことでばらつきを減らせる