メモ程度になってしまいますがWeb配信を拝聴しました。
”ドライアイ診療のガイドラインの改定(2019.5月)その後”
ガイドラインにもとづいた診療をしていた場合、訴訟に対して90%以上は勝訴、基づいていなければ勝敗は50%程度
★横井Dr
◆涙液動態に基づく病態生理
毛管圧 涙液メニスカスを支配
例 瞼裂斑 SPKの原因 ⇒ 異所性涙液メニスカスにより角膜側の陰圧により涙液層の菲薄化
◆ブレイクアップの病態生理
日本:定義、診断基準ともにbreak upが基になっている(炎症は悪循環の結果)
⇒涙液層の安定性に重きを置いた点眼治療
⇕
米国:浸透圧上昇、炎症がメイン(炎症がもとで悪循環)⇒ 免疫抑制剤
涙液層の重要な性質=安定性
1涙液層の油層
2涙液層の液相の水分
3涙液層の液相のMUC5AC
4表層上皮細胞のMUC16 →巨大分子:膜型ムチン(MUC)の水濡れ性の低下に影響
いずれかの安定性低下 break up
⇒TFOD tear Film Oriented Diagnosis
Breakの仕方 | サブタイプ1(横井ら) | サブタイプ2(坪田、戸田ら) | Shigeyasu2020 | |
Area break | 液相の水分 | 涙液減少型ドライアイ(最重症) | 8.1% | |
Spot break | 上皮層の膜型ムチン | 水濡れ性低下型ドライアイ | BUT短縮型ドライアイ | 8.6% |
Line break | 液層の水分 | 涙液減少型ドライアイ(軽症~中等度) | 66.6% | |
Dimple break | 上皮層の膜型ムチン | 水濡れ性低下型ドライアイ | BUT短縮型ドライアイ | 7.7% |
Randam break | 油分または液層の分泌型ムチン | 蒸発亢進型ドライアイ | BUT短縮型ドライアイ | 7.0% |
米国 分類 蒸発亢進型と涙液減少型(+複合型)
日本(アジア)分類 蒸発亢進型(Randam)と涙液減少型(Area/Line)+水濡れ性低下型(Spot/Dimple型)
水濡れ性低下型をなしに説明できない
◆瞬目に基づくFrictionの病態生理
ドライアイのメカニズムに必ず関与するわけではないが、自覚症状や他覚所見に修飾するメカニズム
眼瞼
・rid wiper マイボーム腺の異常 ridwiper epitheliopathy
・kessing space 上眼瞼の球結膜の弛緩 (上方結膜弛緩もしくは瞼結膜の腫脹)corkscrew sign
ridwiper epitheliopathy、急結膜上皮障害、上輪部角結膜炎、糸状角膜炎、結膜弛緩
まとめ
・ドライアイの病態生理を理解(涙液や涙液層の動態についての知識)
・涙液メニスカスの毛管圧は角膜隣接する隆起病変に関係する上皮障害を説明、涙液や涙液層の動態を決める要因
・開瞼ごの涙液層の形成過程は油層と液層の動態によって説明される(涙液減少、蒸発亢進、水濡れ性低下)ブレイクアップパターン分類が役立つ
・瞬目摩擦がドライアイの自覚他覚所見を修飾する
角膜ドライアイの見方
自然な瞬目→ BUTをみる
軽く閉じてパッと開瞼してみる→ ドライアイパターンを見る
★高Dr
問診表 日本語
DEQS NEI-VFQ25 sakane JAMA2013
実用視力Kaido 2007Conea、高次収差Koh2008IOVS
コントラスト感度、角膜不正乱視、前方乱視 KohIOVS2017 KohEye Contact 2019
Shimabukuro,Koh, et al JJO 2020
白内障術前70%にドライアイ!
Randam | Dimple | Spot | Line | Area | |
術前: | 85% | 10% | 0% | 4% | 0% |
術後3M | 79% | 4% | 13% | 4% | 0% |
コロナの影響でNew standard New normal新しい概念
★山田Dr
ドライアイ点眼
①落第点(推奨3~4)
・NSIAD あまり効果なかったと報告(エビデンスない)
・シクロスポリン 保険適応に関してのみ(エビデンスはある)
・血清点眼(エビデンスない)
オメガ脂肪酸内服(2018NEJで質高いRCTでプラセボと変わりない)
②推奨1~2 エビデンスレベルB
涙液量増加持続時間 | 涙液層安定化作用の持続時間 | ||
人工涙液 | 3分未満 | 15分未満 | |
ヒアルロン酸 | 5-7分 | 2-3時間 | ※膜型ムチンを増やす |
ステロイド | |||
ジクアホソル | 30分 | 数時間 | |
レバミピド | |||
涙点プラグ | 恒常的 | 恒常的 |
TFOTに基づいた治療の選択が必要