先日、日本眼科学会より、「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」が発表されました。
https://www.gankaikai.or.jp/info/20210414_bluelight.pdf
簡単に要約しますと・・・
これは日本眼科学会だけでなく、日本眼科医会、日本近視学会、日本小児眼科学会、日本弱視斜視学会、日本視能訓練士協会との共同の発表です。
これほど学会、協会からの同時の発表はなかなかありません。
つまり、眼科医から日々の診療のなかで、保護者の方々に伝えておくべき事項であることを表しています。
確かに日々の診療の中で「最近はスマホ、パソコン、ゲームをする事が多くなってたのでブルーライトのメガネを・・・・」という質問を保護者の方々から伺います。
そのような質問をされる保護者への大切な、そして簡潔な答えとなると思われます。
ここでブルーライトについて説明します。
そもそもブルーライトというのは380〜500nm(ナノメートル)の波長の光であり、ブルーライトカットメガネというのは380〜500nmの波長の光を遮断します。
そんな中で、ブルーライトよりさらに短い波長360~400nmの領域の紫色の光であるバイオレットライトという光があります。実はこの光、こどもの近視の進行を抑える可能性があります。
しかしご存知の方もいるかもしれませんが、一般的な度付クリアレンズでは紫外線と一緒にバイオレットライトをカットしてしまうようです。
こどもに”ブルーライトカット眼鏡を”と気にするよりも、”バイオレットをプラス”するようなメガネを考えたほうが良いのではないのでしょうか?
また、屋内環境においては、窓など一般的に普及しているUVカット機能付きのガラスはバイオレットライトが透過しないものがほとんどです。
屋内活動が中心になりつつある現代社会の子どもたちは、バイオレットライトを浴びる時間が減り、近視進行の危険性が増していることになります。
こどもの近視抑制を望むのであれば外で遊び十分な太陽光を浴びること、室内では勉強やゲームは30センチの距離を保ち、適度な休憩をとることで目の緊張をとることが大切なことになってきます。