この項ではソフトコンタクトレンズを安全快適に使用するために必要な情報を皆様に知っていただきたいと思い、簡単にではありますがまとめさせていただきました。
PDFでダウンロードし、印刷していただける形にしましたので是非ご一読ください。
1 コンタクトレンズを選ぶ時の目安
現在、各コンタクトメーカーから様々な種類のレンズが販売されています。当院では眼科専門医がコンタクトレンズを使用するうえで問題となる病気がないか確認し、角膜の形状屈折度数を検査し適切なレンズをお勧めしています。使用目的・使用頻度・年齢・予算なども考慮しなければなりませんのでご希望は必ずお申し出ください。なお、初めてコンタクトレンズ使用する方にはレンズの着脱が確実にできるよう練習していただきお試しの上お勧めしています。
2 レンズの種類 1日使い捨てレンズ(洗浄・消毒が必要ない)と2週間交換レンズ(適切な洗浄・消毒が必要ですがコスト面では1日使い捨てより安価)があります。また、レンズの素材としてはHEMA素材とシリコーンハイドロゲル素材があります。
3 コンタクトレンズによる眼障害の原因
A 酸素不足 角膜は空気中の酸素が涙を介して取り込まれ維持されています。最近は酸素透過率のレンズもありますが酸素不足による角膜障害を起こすことがありますので、就寝時は必ずレンズを外してください。
B 角膜感染症 酸素不足や異物などで角膜上皮障害がおこると細菌・真菌・ウイルス・アカントアメーバ(治療困難)などに感染し易くなります。2週間交換レンズは必ず毎日消毒し、レンズケースも定期的に取り換えてください。
C 巨大乳頭結膜炎 アレルギー体質の方は、レンズに付着した汚れ・花粉、およびコンタクトレンズで繰り返し瞼をこすることで巨大乳頭結膜炎を起こすことがあります。自覚症状としては目脂・レンズのずれに注意してください。
D ドライアイ 角膜は涙を介して酸素を得ています。ドライアイの方は基本的にコンタクトレンズの適応ではありませんが、乾きにくいレンズで対応できることもあります。
4定期検査の必要性 最初適切なレンズを選んでいてもレンズは必ず角膜に負担をかけます。自覚症状がなくても軽度の角膜障害を起こしている場合もあります、早期発見のため、また屈折度の変化もありますので、適切な度数のレンズに変更も定期検査にて可能です。
5 メガネとの併用 角膜障害の治療においてコンタクトレンズを中止する必要があります。日常生活に困らないよう必ずメガネとの併用をお勧めします。
6 コンタクトレンズの消毒 2週間交換レンズは取り外した後消毒が必要です。消毒液の種類としてはMPS(クリアデュー、レニュー)、過酸化水素製剤、ポピドンヨード製剤などがあります。消毒力・使用方法が各種製剤で異なりますのでご注意ください。
窪田眼科医院 窪田 智
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