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「白内障手術は痛くない?」―“痛みに配慮した優しい手術”

医院情報

白内障手術は近年とても安全になり、多くの方が日帰りで受けています。しかし、「手術中に痛みを感じるのでは?」「術後の見え方はすぐに戻るの?」と不安を抱く患者さんは少なくありません。

その不安を減らし、より快適で負担の少ない手術を実現する技術が、**アルコン社の センチュリオンビジョンシステムに搭載された “アクティブ・セントリー”です。当院ではこのシステムを用い、従来よりも低い潅流圧(かんりゅうあつ)(低IOP)で行う白内障手術を採用しています。

この記事では、

  • なぜ低潅流圧で痛みが減るのか
  • アクティブセントリーが何をしているのか
  • 術後の回復が早くなる理由
    を、医学的な背景とエビデンスをもとに、できる限りわかりやすく解説します。

白内障手術で「目の圧力」はなぜ上がるのか?

白内障手術は、目の中の濁った水晶体を砕いて吸い出し、その代わりに人工のレンズを挿入する手術です。この作業の間、目の形を保ち安全に操作するために、**目の中に液体を流し入れる(潅流)**必要があります。

しかし、潅流圧が高くなると、

  • 目が押されるような感覚
  • ズーンとした重い痛み
  • 眉間やおでこに響く不快感

といった症状が起こりやすくなります。特に緊張している患者さんでは、わずかな圧の変化でも「痛み」として感じやすい傾向があります。


アクティブセントリーが可能にした「低潅流圧の手術」とは?

アクティブセントリーは、手術中の目の中の圧力変化をリアルタイムで検知するセンサーが内蔵されている点が最大の特徴です。これにより、

  • 目の圧力が急に下がった
  • 逆に一瞬上がってしまった

といった微細な変化をすぐに捉え、機械が自動的に注入量を調整します。

◎ つまり、どう変わる?

従来:
圧力が高くなりやすく、前房(黒目の中の空間)が押し広げられ、不快感の原因に。

アクティブセントリー搭載システム:
常に安定した、より低い眼内圧(低IOP)で手術が可能
圧の“ブレ”が小さいため、
➡ 痛みが出にくい
➡ 不快感が軽い
といったメリットにつながります。


なぜ「痛み」が減るのか?医学的に解説

手術中の痛みの大きな原因は、
前房が急に膨らんだり、押し広げられたりすることによる組織の伸展刺激です。

低潅流圧で手術すると、

  • 前房が自然な状態に近い深さでキープされる
  • 圧力による伸展刺激が少なくなる
  • 痛みとして感じやすい「圧負荷」が減る

というメカニズムが成立します。

実際、海外を中心に多くの報告で、
低IOP(20〜30mmHg)での手術群は、従来の高IOP群(50mmHg以上)より術中痛が少なかった
とされています。


術後の回復も早い理由

手術後の見え方に影響する大きな要素は、**角膜のむくみ(角膜浮腫)**です。

高い潅流圧で長時間押されると、角膜の細胞がストレスを受け、術後しばらく霞んで見えることがあります。

一方、低潅流圧で行うと、

  • 角膜の負担が減る
  • 細胞のストレスが小さい
  • 術後の混濁が軽く済む

などの利点があり、結果として、視力の立ち上がり(見え方の回復)が早くなる
という傾向が報告されています。

また、眼内の炎症反応も比較的少ないというデータがあり、早期からクリアで安定した見え方になりやすいと考えられています。


安全性はどうなのか?

「低い圧力で手術して危なくないですか?」
という質問は非常に多いものです。

アクティブセントリーを搭載したセンチュリオンは、

  • 圧力を一定に保つ制御が従来より正確
  • 前房が潰れるリスクが低減
  • 術者が最も安定すると感じる圧力帯で手術可能

という特徴があり、複数の比較研究でも安全性は従来手術と同等、もしくはそれ以上と評価されています。

当院では白内障手術の経験豊富な術者が、患者さんの眼の状態に合わせた最適な圧設定で手術を行っています。


当院の白内障手術:痛みが少なく、回復の早い手術へ

当院では、センチュリオンビジョンシステムによる「低潅流圧(低IOP)× アクティブセントリー」という組み合わせを標準としています。

◎ 当院での低IOP白内障手術のメリット

  • 痛みが出にくい
  • 圧の不快感が少ない
  • 角膜の負担が少なく術後の見え方が早く戻る
  • 手術中の前房が安定しやすく安全性が高い
  • 緊張しやすい方、高齢の方にも負担が少ない

術後の回復が早いため、多くの患者さんが
「思ったよりすぐ見えるようになった」
「痛みの心配をしなくてよかった」
と感想を述べられています。

<日帰り白内障手術について>

まとめ

白内障手術は「どの機械で、どの圧力で行うか」によって、患者さんの手術中の快適さや術後の回復に大きな差が出ます。

アクティブセントリーを搭載したセンチュリオンによる低潅流圧での白内障手術は、

  • 痛みを感じにくく
  • 術後の見え方が早く回復し
  • 眼に優しい

というメリットが科学的にも示されている“次世代の手術方式”です。

当院では患者さんに安心して治療を受けていただくため、適切な手術技術を用いて、負担の少ない白内障手術を提供しています。

※痛みの感じ方には個人差があります。


▼ FAQ

Q1. 白内障手術は本当に痛くないのですか?

A. 多くの方はほとんど痛みを感じず、「少し押されるような感覚」がある程度です。


Q2. 手術後はどのくらいで見えるようになりますか?

A. 早い方は手術翌日には「よく見える」と実感される方も多いです。


Q3. 白内障手術の時間はどれくらいかかりますか?

A. 片眼およそ10分前後です。入院は不要で、手術の前後を含めても1〜2時間程度の滞在で済みます。


Q4. 手術中に目を動かしてしまいそうで不安です…

A. 目薬の麻酔と手術器具により、目が大きく動いてしまうことはありません。瞬きを心配する必要もありませんので、リラックスして手術を受けていただけます。


Q5. 手術後はすぐ日常生活に戻れますか?

A. 多くの方が翌日から通常の生活に戻れます。ただし、洗顔・運動・飲酒などは一定期間控える必要があります。


Q6. 低灌流圧での白内障手術は何が良いのですか?

A. 眼内の圧力変動が少ないため「痛みが軽い」「炎症が少ない」「視力の回復が早い」などの利点があります。


Q7. 手術に使用する機械や技術に違いはありますか?

A. 当院では、灌流圧を自動で調整し眼への負担を抑える手術システムを使用しています。より安定した環境で手術が行えるため、安全性が向上します。


Q8. 高齢ですが手術を受けられますか?

A. 多くの高齢の方が問題なく手術を受けられます。


Q9. 白内障手術後にまた白内障が再発することはありますか?

A. 一度手術をすると白内障そのものが再発することはありません。ただし「後発白内障」という混濁が起きることがあり、レーザー治療で簡単に改善できます。

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