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ドライアイについて

ドライアイとは

涙の量が減少して、角膜や結膜などの目の表面(上皮)が、皮膚に譬えるなら肌荒れを起こしたようになり、様々な不快症状が現れる状態を「ドライアイ」と言います。

ドライアイの2つのタイプ

ドライアイは大きく分けて、涙の分泌量が減少するタイプと、涙の蒸発が亢進するタイプの2種類があります。長時間にわたるVDT作業、エアコンによる室内の乾燥、コンタクトレンズの長時間装用、ストレスの増加などにより、涙の蒸発が亢進するタイプのドライアイが近年、増える傾向にあるようです。

ドライアイの症状

ドライアイでは、目の疲れ、目が重い、目が熱い、目の異物感、目の充血など、症状は多種多様ですが、意外にも疾患名となっている「目が乾く」といった症状を訴える人は少ないようです。症状が悪化してくると、目が痛い、目を開けていられないなどの症状が現れるようになり、さらには頭痛、肩こり、気分不快など、全身的な症状が見られるケースもあります。

ドライアイの原因

ドライアイは、いろいろな要因が複合的に絡み合って発症すると考えられています。現代社会ではパソコン、携帯電話、テレビゲームなどの浸透により、モニター画面を見続ける生活が日常化していますが、それによって瞬きの回数が大幅に減り、目は乾燥しがちになります。

冷暖房の普及や夜型の生活様式、ストレスの増加もドライアイの発症に関与していると言われます。また、シェーグレン症候群(目や口などの粘膜が乾く自己免疫性の疾患)では、涙の分泌量が極端に減少し、重いドライアイ症状が見受けられます。

ドライアイの検査

問診・視診をした後で、必要があれば下表のような検査を行うのが一般的です。いずれの検査も比較的短い時間で済み、痛みなどは伴いません。

シルマー試験

涙の量を調べる検査です。専用の細い濾紙(涙紙)を眼の涙点上にはさんで瞼を閉じ、5分間でどのくらいの長さ分の涙が染み込んでくるかを調べます。

涙液層破壊時間(BUT:Break Up Time)検査

BUT5秒以下はドライアイ

瞬きをしない目を開けたままの状態で、涙の層がどのくらいの時間で壊れるかを、細隙灯(さいげきとう)顕微鏡という装置を使って観察・測定します。

生体染色検査

ドライアイによる角膜の傷

目の表面の状態を検査するには、フルオレセイン(黄色い染色液)の点眼により眼球表面を染め、スリットランプと呼ばれる顕微鏡を使って調べる方法がよく用いられます。角膜や結膜に傷や凹凸などがあると、その部分が染まって見えます。

ドライアイの治療

ドライアイの治療としては、人工涙液、ヒアルロン酸製剤、ムチンや水分の分泌を促進する点眼薬、ムチンを産生する点眼薬、ドライアイ用のメガネ(レンズ周囲に透明なカバーを取り付けて涙の蒸発を防ぐメガネ)の装用などの方法があります。点眼薬で症状が改善しないようなら、涙点(涙の排出口)をプラグで閉じたり、あるいは外科的に糸で縫合する涙点閉鎖術を行ったりします。

ドライアイのセルフケア

ドライアイを予防するには、日常生活上のセルフケアが大切です。長時間にわたるVDT作業を行う際には意図的に瞬きを増やしたり、1時間に1回は休憩を挟んだりするようにしましょう。室内が乾燥し過ぎないように加湿器をうまく活用し、適度な湿度を保つ配慮も必要です。

また、コンタクトレンズを使用していて目がゴロゴロするなどの違和感を覚えるようなら、メガネを併用するなど、症状を悪化させない工夫をしましょう。

※当院のお知らせでもドライアイについていくつか解説しておりますのでご参照ください